一般社団法人 士別青年会議所 第68代理事長 細
川 智 博
2024年度 スローガン
「SHINKAする組織へ」〜一人ひとりのつなぐ力〜
〜はじめに〜
今私たちは、情報が行き交う社会のなか、どの情報が自身にとって正しい選択なのか、様々な場面において、選択の岐路に立っているのではないでしょうか。
私たち青年会議所は地域の衰退化を阻止すべく、運動を止めてはならないと、先行きが見通せないなか歩みを一歩ずつ進めてきました。昨春から平常通りの生活が戻りつつありますが、新型コロナウイルス感染症の拡大による爪痕は深く、縮小された組織や団体、ましてや無くなってしまった物も数多く存在しています。しかし新しいイベントも芽吹いてきているのも確かであり、人々が集い地域経済活性化につながるイベントの推進や運動の展開が私たちに期待されています。先輩諸氏が紡いでこられた歴史や伝統に新たな一ページを刻むべく、メンバー一人ひとりが成長を遂げ、「今ここに何ができるか」、「今何をすべきか」、「今何を必要とされているのか」、メンバーが真摯に向き合い、私たちが住まうこの地域の発展のために、「今ここに“SHINKA”する組織」を創造します。
〜SHINKAとは〜
昨年、私は道北エリア運営会議という、北海道の青年会議所にとって総合連絡調整機関である北海道地区北海道ブロック協議会と、道北の士別・旭川・名寄・羽幌・深川・富良野・紋別・留萌・稚内の9つの青年会議所をつなぐ連絡調整機関に出向をさせていただきました。そこで道北エリアのメンバーが集まり、共に学び合い絆を深め、1年の集大成の場のエリア大会の担当をさせていただきました。その際にこの「SHINKA」という言葉に辿り着きました。多種多様な課題を抱える現代において求められる「しんか」とは、一般的な「進化」に留まりません。私たちは運動を止めずに進み続けて、より深く課題を掘り下げ、新たな時代に沿って、真の価値を見出す組織となるために、多方的な「進化・深化・新化・真価」などが求められていると思います。人によって捉え方も様々ですが、認め合う社会から生まれる新たな発想力や創造力が大きな力となり、運動を加速し、永久的に「SHINKA」する組織や輝き続ける地域を思い描き、2024年度、我々士別青年会議所は全力で駆け抜けてまいります。
〜地域の魅力を再認識しよう〜
自然豊かな、広大な土地を有するこの地域において、基幹産業である農業を始め、建設業や商工業など多種多様な業種が、ここに住まう多くの人々の生活を支えています。様々な分野で気候条件においての立地が優れているとして、自動車・タイヤメーカーなどの試験場が各地に設置され製造業の企業参入がとても多い地域です。
また、士別市においては、「合宿の里」と名を掲げ、年間20,000人もの実業団や学生達がスポーツ合宿で多くの汗を流し、世界で活躍されている方々もいます。この地域にはキャンプ場が10ヶ所以上も存在し、コロナ禍で加速したキャンプブームにより、多くの人々が足を運んでいただき楽しんでいただいています。このように多くの人々が、仕事や趣味など多岐にわたり訪れているのにも関わらず、ここに住まう私たちは、この地域には何もないと言うことが多いと思います。
しかし地域に埋もれた魅力に気づかずに過ごしているだけではないでしょうか。他所から来た方こそ、地域の魅力を感じとり私たちに気づかせてくれることも多々あると思います。人も少ない、お店も少なく不便さや寂しさを感じることもありますが、私たちは地域の魅力を改めて再認識し、「今ここに何ができるか」、「今何をすべきか」、「今何を必要とされているのか」、メンバーが協力をして、ここに「SHINKA」を創造し、観光や移住による地域活性化を促すために地域ブランディングに寄与できるよう取り組んでまいります。
〜地域の未来を担う子どもを大切に〜
どの地域においても、人口減少に歯止めがきかないのは言うまでもありません。少子高齢化が進む時代で、私たちが住む士別・剣淵・和寒の地域においても、1980年に44,000人あまりの人口をピークに、現在では23,000人に満たない人口にまで減少してしまいました。地域の未来を担う子どもがどれだけ貴重な存在であるか、一人ひとりを大切にしていかなければなりません。当たり前のように進学や就職のためにこの地域を離れてしまう子どもたちが多いですが、地域に戻ってきてもらえるよう、先に述べた地域の魅力を、子どもにも伝えていかなければなりません。
一昨年、士別青年会議所では小学生を対象に地元企業の方々にご協力をいただき5年振りに職業体験の事業を実施したところ、あっという間に定員に達してしまうほどの盛況であり、子供たちに多くの学びの場となりました。また、しべつ雪まつりでは幼児向けにストライダーにスキーを取り付けてコースを滑走する「スノーキッズカップ」という企画を子育て世代がたくさんこの地へ訪れることを考えて計画いたしました。札幌市や北見市などの遠方からも子どもたちのエントリーがあり、多くの観客で会場を沸かせることができました。天塩川まつりでは「THE
ONIGOKKO」を2022年2023年と2年続けて開催をし、2022年度は105名、2023年度は125名の多くの子どもたちの参加をしていただき、応援に駆け付けた家族も多く集まり、地域のイベントを大きく盛りあげることができました。最近の子どもたちはインドアで、ゲームやSNSでの交流が多いと言われていますが、やはり子どもたちは実際に体を動かし、頭を使うことを好んでいると強く感じました。また地域にとっても活発に体を動かし、賑やかに声を上げる子どもたちがたくさんいることで、まちの元気というものも感じるのではないでしょうか。私たちはここに「SHINKA」を図り、地域の未来を担う子どもたちを大切にし、心身ともに健やかに成長できる環境づくりや機会づくりをできるよう、地域を巻き込んだ事業を構築し、子どもたちの郷土愛を育んでまいります。
〜地域との関わり合いを深く〜
私たち青年会議所はこの地域においてどれほど認識されているのでしょうか。組織名は知っている、組織名は知っているけどどんな人がいて、どんな活動をしているのかは知らない、または全く知らないという方も多くいらっしゃると思います。コロナ禍の間に縮小されたイベントなどによって存在感も薄れてしまった部分もあるかと思います。青年会議所は自身の仕事にも活かせる実務的な知識の習得やスキルアップができることばかりではなく、多くの方々との出会いやつながりができることが最大の魅力だと私は感じています。仕事では出会うことのない方とのご縁というのは本当にかけがえのないものだと実感しています。この地域においても、まだまだ知らない方が多くいるなか、青年会議所の運動や活動を通して、多くの方々と出会い、存在をアピールし、地域の方々にもっと身近な組織と感じていただき、頼っていただき、民間企業や団体同士との橋渡しができるような存在となり、お互いにそれぞれの協力関係を強化できるような組織づくりに積極的に推進してまいります。
また行政機関との相互関係もより深くより強固なものにすべく、積極的に行動をして相互連携をし、地域の情勢や住民の声に耳を傾け、より良い地域となるよう全力で邁進してまいります。
〜地域を輝かせる会員の増強〜
士別青年会議所は遡るとピーク時には80名あまりのメンバーが運動の展開を行っていました。しかし昨年スタート時にその1/10ほどの9名まで落ち込みピンチに陥り、何とかしなければと奮起し、積極的に声掛けをして候補者のもとへ足を運んだことにより、6名のメンバーが入会へとつながり、近年にない会員拡大を成功することができました。メンバーが増えれば発想が増え組織として、地域をより輝かせる力は大きくなると考えております。
青年会議所は20歳から40歳までと定年が決まっています。青年会議所には「奉仕・修練・友情」という三信条があります。たくさんの人とつながりいろいろな知識を学び能力向上を図り、失敗を成功につなげ、自身の仕事に活かされ、地域に貢献できる仲間の拡大をしていかなければなりません。会員数の上限は存在しません。メンバーが地域に赴き、私たちの存在をアピールし、多くのメンバーでこの地域を輝かせるために「SHINKA」し、全力で会員増強に努めてまいります。
〜おわりに〜
私自身青年会議所に入会し5年目となり、多くの学びを得ることや、多くの方々とのご縁をいただき、2024年度理事長の職をお預かりすることとなりました。
2024年度の運動を展開していくうえで、何事も決して独りで行動や、特定の誰かに負担をかけるのではなく、仲間がいることを信じ、失敗を恐れず、仲間と助け合い、時代に合わせた効率化も図っていきたいと思います。
みんなの力を大きくし、この地域をより輝かせるために、私たち青年会議所が必要とされる存在となるべく、改めて「今ここに何ができるか」、「今何をすべきか」、「今何を必要とされているのか」、メンバー一人ひとりがしっかりと考え、ピンチをチャンスへ変えられるよう、私たちが住まうこの地域の発展のために、「SHINKAする組織へ〜一人ひとりのつなぐ力〜」をスローガンに掲げ一年間邁進してまいります。
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